英語を浴びるだけ日記

英語で見たり聞いたりしたもの日記

行きたい国・行った国

今週のお題「行きたい国・行った国」

 


行った国

生まれて初めて外国に出かけたのは、学生時代、ヨーロッパに行くために乗り継ぎで立ち寄った韓国のソウルだった。今思えば乗り継ぎで一泊するぐらいなら南回りのチケットを買った方が安上がりだったのではないかと思うが、当時は中東というのはどの国も全てミサイルが飛び交い、そこいら中にテロリストがいる恐ろしいところだとぼんやり思っていたので、トランジットで空港に行くのすら躊躇したのだ。

一方私が子供の頃の韓国という国は軍事政権で情報が全然なく、何をやってるのか分からない国という意味では北朝鮮と似たようなものだった。私が立ち寄ったこの頃にはずいぶん開かれた国になってはいたものの、昔の暗いイメージがまだ色濃く残っていたように思う。初めての海外という怖さもあり、日本語の話せる現地添乗員込みの空港送迎付きで高級ホテルに泊まり、食事もホテル内の仰々しい韓国料理レストランで食べたのを覚えている。この頃はとんでもない円高だったのだ。添乗員にお願いして本場のキムチを日本の家族に送ってもらったのだが、完全にボッタクリ価格で、しかし大層美味しかったそうなのでまぁ良い。

その後滞在したのはフランス、スウェーデンノルウェーフィンランド、しばらく間をおいて、インドネシア、タイ、イタリア、スペイン、ハワイ(アメリカ)そしてまた間をあけて、最近は何度か英国に通っている。ひとりで海外に出るようになったのは英国が初めてで、ここ数年のことだ。

英国

ヨーロッパというのは常に緊張を強いられるし、昔はアジア人を見かける事もそう多くなかったので浮いている自覚もあり、疲れる旅先だった。しかし年を取って図太くなったせいか、イギリス、特にロンドンはヨーロッパの中では断トツに居心地が良い。あらゆる人種が入り乱れているし、こちらに分厚いダウンジャケットを着た人がいたかと思えば、あちらにはマラソン用のような極端な短パンで電車に乗っているおじさんがいたりする。お互い干渉しない一方で、一般のイギリス人というのは必要があってやり取りをしてみると、案外気のいい人たちであると思う。気取ったようなところを感じたことがあまりない。もちろん例外はあるけど。日本人には比較的過ごしやすいのではないだろうか。

行きたい国

久々にアジアのリゾートにまた行きたいなどと思うこともあるが、好きなミュージシャンが英国にいて何かとそちらに行くことになっているので、他の所に行く時間とお金のゆとりがない。旅の予定を立てる気力も体力も落ちて来ている自覚があり、遠い所に行くなら今ぐらいが最後なのかもしれないなと思う。

左翼な親に育てられたせいか、アメリカ大陸にはなぜか全く興味が沸かないのだが、南米の都市と、アフリカの砂漠に近い街には一度行ってみたいと昔から思っている。ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」とベルトリッチの「シェルタリング・スカイ」の世界だ。

どちらも言葉の通じない知らない人々に囲まれて現地で死んでしまうイメージがあり、不吉な予感しかしない。暑苦しいガチャガチャした道端で野垂れ死んで、たまたま通りがかった誰かに意味もなく死骸を蹴られてぶーんとハエが沢山飛んで、そのまま放置されて腐り果てる。実際の自分は雪国生まれの雪国育ちなので、そういうのに好奇心と強烈な恐怖があるのかもしれない。

しかし考えてみれば英語だってロクに話せないんだし、常にぼっちという意味では日本に居たってモロッコの砂漠に居たってそう大差ないじゃないかという気もする。

 

旅の1番好きなところは、空港で自分の出発まで時間つぶしにビール飲んだり、これからどこかに行くという移動のプロセスなので、お金が沢山あったら世界中グルグルしてるかもな。アメリカ人のミュージシャン、Fantastic Negriteさんがずーっと旅をしてるのをTwitterでいつも羨ましく眺めている。