英語を浴びるだけ日記

英語で見たり聞いたりしたもの日記

ポッドキャスト:ウラジーミル・プーチンのバックグラウンドを追う


英語学習のため、英語のポッドキャストで興味が沸きそうな歴史ものやドキュメンタリーを常に探しています。先週末に聞いてエピソード1だけで心が折れそうになっているのがコレ。

open.spotify.com

一度聞いて、難しすぎたのでもう一度聞いて、キーワードの検索をかけて辛くなり、もう一度聞いて、それから次のエピソードに進む決心がなかなかつきません。これはウラジーミル・プーチンがどんなバックグラウンドを持った人物なのかを追う番組で、伝記好きな自分としては興味をそそられたのですが、スタートからいきなりきつい。

レニングラード包囲戦

プーチン氏の故郷、レニングラードサンクトペテルブルク)の話から始まります。プーチン氏自身は1952年生まれとの事で、第二次世界大戦が終わって7年後、戦後のベビーブームからは少しだけ遅れた世代でしょうか。プーチン氏のご両親は「レニングラード包囲戦」を生き抜いた人達です、ではレニングラード包囲戦というのがどのようなものだったか、というのがエピソード1の内容です。ドイツ軍の包囲によって872日に渡って燃料や食料の補給がほぼ途絶えた人口320万人の都市。

ソース元がアレですが、Podcastの中にこのターニャの日記というのが出てきます。家族が次々に亡くなり、最後はひとりになる11歳の少女の日記です*1

www.soka.ac.jp

街全体が極度の飢餓状態に陥り、食糧を食べつくし、植物を食べつくし、革製品など日常品も食べつくし、犬猫や動物も全て食べつくし、最終的には食肉にするために子供がさらわれたり、肉屋で人肉が売られる事態にもなっていたそうです。戦後レニングラードで生まれた子どもたちは、犬や猫を見たことがないので、どのような動物か知らなかったとの事。

レニングラードはドイツに降伏することなく終戦を迎えました。封鎖中のレニングラードで亡くなった市民は100万人を超え、97%は餓死だったとのこと。降伏せず街を守り切った事は市民の誇りであり、大いに賞賛された*2との事です。しかし第二次大戦におけるソ連の死者は1500万人とも3000万人とも言われています。国全体が大変な状況になっている中、封鎖が終わってやれやれ、とレニングラードの物資が急に豊かになるような状況でもなかったに違いない。当たり前のことですが、他の国と同様、心身に計り知れないほどのダメージを負った人がソ連にも沢山いたのです。

ほのかな後ろめたさ

そういう厳しい街に産まれたからプーチンがあんな人になったのだと言いたい訳ではありません。

私が10代の頃、まだロシアはソ連と言われていて、すごく寒そうな街角で人々が何時間も配給の列に並ぶ光景がしょっちゅうテレビで流れていました。時には「面白映像」として。大学時代、ロシアに造詣が深いと自称する教授のひとりは「あの人たち食料がないないと文句言ってるけど、1日にミルクが4リットル欲しいのに1リットルしかないって文句言ってるだけなのよ。あのおばさん達の体型見たら分かるでしょ!」と笑っていました。

そこには同情だけじゃなくて、嘲笑みたいな感覚が少しはあった。少なくとも私にはあった。私にはロシアは「寒く貧しく暗く、独裁国家で、物資が不足していて、話が全然通じなさそうな人たちが住んでいる、なんか怖い国*3*4」だったし、今も多分ちょっとその感覚がある。

ロシアがウクライナに侵攻した時に、どういう言葉だったか忘れたけど「ソ連崩壊後、ロシアは西側諸国の仲間になろうとそれなりに努力して来たのに、結局いつまでも村八分だった」みたいな事を言ってる人がいたんですよ。実際のところそれが本当かどうか分からない。でもなんかそれを聞いて、その要素は確かに自分の中にはあったなと思ってしまった。

特に落ちはありません。ただこのポッドキャストの先を聞くのは気が重いなと思うだけです。せめて夏の間に聞くべきだったな。そのうち気力がある時に続きを聞きたいと思います。

文脈なしでコンテンツを選ぶ難しさ

常に興味が沸きそうなポッドキャストを探していて、分からないながら人気のあるトークショーのようなものをいくつか聞いているのですが、レビューを見に行ってみるとインセルだのミソジニーだの陰謀論だのレイシストだのと批判されている事も多く、一体何を聞いたらいいのか分からなくて困ります。

好きなミュージシャンがゲストで出ているポッドキャストがあって、雰囲気怪しいな?と思いつつ他のエピソードも聞いていたら、アンドリュー・テイト*5が出て来てうーんってなったりね。海外の有名人を知らないので、これ系の人が出てきたら偏ってるかなとか、そういうのが分からないのです。さすがにアンドリュー・テイトの話はあんまり聞きたくないなと思いましたが。

世の中から批判されている人からも淡々と話を聞くというタイプのポッドキャスターもいます。そういう場合はレビューで「いい切り口だと思う」と絶賛されている事もあるし、「何の批判もなく話を聞いてるダメホスト」だと批判されている事もあります。しっかり中身が分かれば問題ないんでしょうけど、私の英語レベルだと全部を分かるわけじゃないので、なんか危うい。大量に聞くしかないのだとは思いますが、今のところ手掛かりがないので暗中模索になってしまう。

英語の勉強のために聞いているので、極端な事を言えば中身はなんでもいいんですけども、やはりあまりにも偏ってそうな内容は避けたい。大メディアの作るコンテンツは概ね旗色に想像がつけられるのでその点安心できますが、そこだけではなかなか世界が広がっていかないので難しいところです。

 

*1:ソ連版「アンネの日記」とも呼ばれるそうですが、内容はただ日時と亡くなった家族の名前だけです。

*2:というか、レニングラード市民がどういう状況であろうと、絶対降伏するなという指令が出ていたのであろうことは容易に想像がつきます。

*3:ゴルバチョフさんが出て来た時に初めて「ついにちょっとは話が通じそうな人がソ連のトップに!」って思ったぐらい。

*4:ちなみに私が子供の頃の韓国も同様の印象だった。今はイメージ変わっちゃいましたけどね。

*5:元ボクサー。男性主義者のインフルエンサーで、この間人身売買で逮捕された人