サッカーにもプレミアリーグにも特別興味はないんだけども、イギリス英語に触れてイギリスの文化にも触れていると、デヴィッド・ベッカムの国民的な人気というものを時々目の当たりにする。奥さんのヴィクトリアについては若干斜めに見ている人もいるようだが*1、ベッカムについては割とあらゆる人が「Beautiful」だと口をそろえて言うのだ。
たまたま聞いていたイギリスBBCラジオのご長寿番組Desert Island Discsの75周年記念でベッカムが登場したエピソードには、なるほど、これだからこの人は人気があるのだなぁと、納得させられる何かがあった。
お父さんは星一徹のようなレベルでサッカーのスパルタ英才教育をしていたようだし、ファーガソン監督についても色々あったはずなのだろうけど、落ち着いた口調で、笑顔で淡々と話をする。アスリートとしてメンタルについてのコントロール*2もしっかり訓練を受けているのだろうな。
普通の家庭出身でセレブリティになった立志伝中の人であり、現在進行形で良い家庭人であり、チャリティにも熱心。最新の工場で水耕栽培された傷ひとつない葉物野菜みたいだ。見た目が良くて栄養価も高い。極端な話、クソ真面目でつまらない人と言っても過言ではない。
でもなんだかとってもチャーミング。ピュアなサッカー少年の小学生がそのまま大人になったみたいな。英語の発音が元々コックニーアクセントだったのを頑張って矯正したと言われているけど、thはあちこちfのままだったりするのも程よくいい感じ。
マンチェスターのハシエンダの思い出と共にDesert Island DiscとしてThe Stone RosesのI am the Resurrectionを上げているのも好感度が高い。やだな、すっかりファンみたいになってるじゃん！
昨日、ウクライナ支援でウクライナのお医者さんに自分のインスタグラムのアカウントの管理権を一時的に渡したことで話題になって、ベッカムのファンはウクライナの医療現場の状況なんて興味ないんじゃない？という懸念をしているコメントをいくつか見たんだけど、イギリスのファンの多くが熱心に見るのではないかと個人的には思う。あっちはどうやらそういうお国柄だ。
